
減酒逃避行:051 「平太周 味庵(ヒラタイシュウ アジアン) @五反田」
訪問日:2025年8月22日(金)他【2925.06.17 UP/2025.09.06 更新】
Tips01:環七ラーメン戦争の寵児「土佐っ子」の系譜
Tips02:豪雪注意。普通指定でも背脂爆量
Tips03:濃ゆい! すべてが身体に染みわたる
Tips04:カウンターのみ12席
Tips05:支払いは現金 or PayPay。店員に言えばクレカも使用可
Tips06:平日・土・祝10:30~23:00、日10:30~22:00
Tips07:最寄りは大崎広小路駅。五反田駅からも徒歩約5分
Tips08:いちおう書いておきますと、禁煙です
背脂チャッチャは正義。「土佐っ子」の系譜はとにかく濃ゆい
「環七ラーメン戦争って知ってる?」と、唐突に聞かれる。
帰りがいっしょになった上長だ。
「マネーの虎の『なんでんかんでん』ってイメージですねえ」
「そっちじゃない。No.1は背脂チャッチャ系の『土佐っ子』。それで、味を受け継いでる店があるんだよ。五反田行こう」

正式名称、「東京都道318号環状七号線」。
バブル景気を経て車社会となった1980年代後半~1990年代にかけて、その地(って範囲超広いですけど。なんせ総延長52.5kmだ)で一世を風靡するラーメン戦争が勃発した。
すさまじい数のラーメン屋が環七沿いに出店し、マイカーやタクシーで客が押し寄せる。まだいろいろとユルかったご時世、マイカー勢は路駐してラーメン屋へ向かう。当然、人気店の近辺は大渋滞の人ゴミ大フィーバー状態だったという。
そんな連日お祭り騒ぎの環七界隈。数あるラーメン屋の中でも名を馳せたのが、前出の「土佐っ子」と「なんでんかんでん」です。
前者は「背脂チャッチャ系」の源流と言われ、後者は博多の本格的豚骨ラーメンを東京に持ち込んだという名店。しかし、両店とも2025年現在は存在していない。なんでも、2006年の道交法改正によって路駐等々の取締が厳しくなった上に、事故なども発生するようになり、警察にマークされちゃったのが終わりの始まりだったとか。
というか、背脂ラーメンといえば「千駄ヶ谷ホープ軒」、本格的豚骨の東京上陸なら「桂花ラーメン」というのが個人的なイメージなのですが。どうやら、"背脂チャッチャ系”は「土佐っ子」、"博多”は「なんでんかんでん」というコトのようです。まあ桂花は熊本だし、マー油の味とイメージも強いですしね。
閑話休題。
そんな"背脂チャッチャ系”の「土佐っ子」を正しく継承しているのがココ、「平太周 味庵」。
ときわ台「下頭橋ラーメン」、池袋「環七土佐っ子ラーメン」、鴻巣「東京環七ラーメン じょっぱり」等々、その味を継承する店は多いのですが、上長的には五反田「平太周 味庵」がいちばんウマいという。幻影を追う大人たちは、ドコも違うと言うようですけれども。
ココは背脂の豪雪地帯。覚悟して臨め。スリップするぞ!
お店は東急池上線大崎広小路駅の出口を出たらスグソコ。もはやサンクスです。まあ、この日は五反田から歩いたんですけど。とりあえずメニューの確認から参りましょう。

爆盛油脂麺(1,100円)が超気になる。すげえセンスしてる。まあでも、初見なので左上、特製らーめん(1,000円)でGOします。

ご覧の通り、クレジットカードも使えます。至れり尽くせりですね。ビール(400円)もポチります。サッポロ黒ラベルの小瓶でした。
と、ここでひとつ追加情報。この2ヶ月後に訪問したら、券売機が新調されておりまして。いまはこんな感じです。
夕メシは平太周 味庵。オートで注文は済まされており、特製ラーメン+海苔で濃いめ多め多め。濃ゆい!! でも、背脂を摂取しにきているに等しいので、このオーダーはある意味正義。
— うんぴこ (@ak80u) 2025年8月22日
そんなコトより、2ヶ月ぶりにきたら、券売機がピッカピカになってたんですよ。超キレイ。 pic.twitter.com/Pac6sPA6fS

カウンターのみ12席の店内。背脂をチャッチャする姿が良く見えます。丼を横一列に並べて、マジですげえフリかけてます。飛び散ってるって。

らーめんは注文時に「味の濃さ」「脂の量」「にんにくの量」が指定できます。記載はないですが、麺の硬さも指定可能。この日はすべて普通に麺硬めで注文しました。このお店の背脂チャッチャ具合はなかなかのもの。
隣のあんちゃんが、「これホントに脂少なめ? 注文ちゃんと通ってるのかな」とツブやいていました。豪雪注意です。

そしてやってきた特製らーめんがコイツです。真っ白だ。器のフチまで雪景色。
この背脂がホントおいしい。次行ったときは脂多めにすると思います。独特の甘さがありコク深いが、クドくはない。「不純物を取り除いた、高純度・高品質の豚の背脂」を謳っているだけのコトはある。オレイン酸、リノール酸などが多く含まれているから体に良いとまで言ってのけてますが、ケトジェニックダイエット時にはMCTオイルをガブ飲みするぼくでも、さすがにソレはどうなのと思う。

スープのベースは豚骨です。結局豚骨醤油。でも、博多豚骨とは方向性が違うワケですよね。東京発の東京豚骨醤油と言われるモノです。背脂ととてもよくマッチしていると思います。コレは身体に染みわたる。

「つるや製麺」の中太麺。歯ごたえもあり、低加水気味でスープが染み込んでいるのが分かります。麺の色が濃い。若干ゴワゴワしておりコシは強め。総合的に、麺硬めはオススメできるかもしれません。

豚バラチャーシューはしっとり柔らか。気をつけないと崩れてしまいます。まあ、振るなって話なんですけど。このチャーシューで麺を巻いてかぶりつくと幸せが訪れます。というか、どのシーンでも背脂が効いてる。背脂ってホントおいしいですよね。

いい絵面です。ココで、さっき背脂の量についてツブやいていたあんちゃんが動き出す。
そのあんちゃんは中国人女性ときていたんだけど、その会話が面白くてチャーシューをプルプルしつつも聞き耳をたててしまう。
「犬っておいしいの?」
「食べないよ」「鶏の爪は食べる。(手で表現)こんなの」 「あと、鴨の頭そのまま。割って脳とか舌とか。おいしいよ」
ねえちゃんの方がファンキーだった。鴨、超気になるわ。もはやラーメンどころの騒ぎじゃない。興味津々です。

鳥つながりでいちおう味玉を。なかなかよい半熟具合です。コレを背脂たっぷりのスープに浸して食べるのもかなり幸せな感じあります。おいしい。

ちなみに、脂多め(+海苔トッピング)にしたらこうなりました。もうたまらないですね。最高です。
(価格は2025年9月現在。すべて税込)
背脂は多ければ多いほどよい。そんな気持ちになりました。コクと甘さがたならない
接 客:★★★★★★★☆☆☆
味 :★★★★★★★☆☆☆
雰囲気:★★★★★★☆☆☆☆
総評:爆量の背脂は幸せを運ぶ。ただただ、単純にウマい。分かりやすいおいしさがココにはあります。基本的にすべてが濃ゆいです。
