
減酒逃避行:049 「たつ屋 @新宿」
訪問日:2025年6月21日(土)他【2025.07.12 UP】
Tips01:銀座、神田などにも店舗があったが残るは新宿店のみ
Tips02:甘味よりも塩味が強め。肉は脂を丁寧に除去済
Tips03:肉の量(並)は吉野家ベースで考えるとアタマの大盛り相当
Tips04:かつての人気メニュー「開花丼」は裏メニューとして健在
Tips05:カウンターのみ15席
Tips06:平日10:00〜22:00、土日7:30〜21:00
Tips07:支払いは現金のみでカウンター越しの後払い
Tips08:いちおう書いておきますと、禁煙です
牛丼の味に特徴はあるか。チェーン以外の牛丼屋はあといくつある?
かつて、牛丼食べ比べツアーを慣行したコトがある。
主要牛丼チェーンをハシゴしてみよう、というモノです。「吉野家」「松屋」「すき家」「神戸らんぷ亭」。1日で4軒巡ります。当時、身近に「なか卯」が存在していなかったのは悔やまれる。
結局そのときNo.1認定したのは吉野家だったのですが、まさかの2位はすき家でした。コレは、「吉野家に一番味が近かった。一所懸命パクッていた」というコトだったのですが。

まあ、牛丼の味は大体、「醤油」「出汁」「白ワイン」を主要要素として構成されているモノですから、どう転んでも似たような方向性の味にはなります。
そんななか、一番特徴的な味をしていたのは松屋だった。確実に他店よりも甘い。しかし2025年7月現在、松屋の牛丼のタレ(丼タレというらしい)は33代目だというコトですから、十把一絡げに語ってよいものではないのかもしれない。
閑話休題。
いま牛丼の食べ比べツアーをやるなら、それはローカル牛丼で行われるべき。そう考えたぼくの「牛丼専門 サンボ」「なんどき屋」に続く、ローカル牛丼巡りの旅、第3弾です。
「赤酒」がウマさの決め手か。吉野家とは明確に異なる旨味がある
もともとメチャ安だった「たつ屋」ですが、時代の波に逆らうコトはできない。直近だと、2024年11月訪問時、店頭にて以下通達がなされていました。

大幅値上げ。結果、牛どん(たつ屋ではこの表記なのです)でいうと100円の値上げがなされました。ソレでもコスパ高いと思いますけどね。

コレが値上げ後のメニュー表です。全然OKだよ大将!!
店の内外にさらにいろいろなメニューが掲示されており、実はうどんもあります。
そういえば、かつて銀座や神田などにあった店舗は現在、「桂庵(かつらあん)」というそば屋に転身しているのですが、ココにはそばないんですよね。ふしぎ。

そして、コレが主題の牛どんです。
玉ねぎ、焼き豆腐がキレイに分けて盛り付けられているのが好印象。というか、そもそも具材は別々に煮込まれているようです。
肉は脂身がしっかり処理されており、上品めなお味。玉ねぎはシャキシャキ。サンボもそうだけど、老舗牛丼屋は味付けが薄めですね。うま味調味料の有無なのか。美味!(ちなみに、ぼくは味の素大好きです)。すべてがほんと丁寧なのです。

そして、たつ屋のタレの隠し味は、お約束の白ワインではない。「白ざらめ」と「日本酒」、そして「赤酒」です。
赤酒は、熊本県に古くから伝わる独特の製法で作られた料理酒。みりん代わりに使われるコトも多く、割烹料理屋などでもよく登場するモノ。みりんとは異なり、発酵を伴う醸造酒です。このため微アルカリ性で、食材を柔らかく仕上げる効果があるのだとか。
たつ屋の牛肉が甘さひかえめで柔らかいのは、コレが理由なのだと思われます。イカしてるぜ。

そして別日の「開花丼」。牛どんの卵とじです。ソレを定食で。ちなみに、開花丼は630円です(牛どんから100円増し)。
みそ汁50円。白菜のお新香100円。そして、両方つく定食は100円。バグってます。

牛丼もウマいが、ソレを卵でとじてもウマいのです。もともとは正式メニューだったモノですが、今は裏メニュー扱い。豆腐は入りません。実は、とりどんも卵とじで注文できるのだとか。懐が深い。
みそ汁は具もしっかり出汁もしっかり。ほっとする味。お新香はなくてもよいかも。紅しょうがもありますしね。おいしい。
(価格は2025年7月現在。すべて税込)
お値段以上。コスパとは、数字だけの問題ではない。ウマい
接 客:★★★★★★★★☆☆
味 :★★★★★★★★☆☆
雰囲気:★★★★★★★☆☆☆
総評:ちゃんとしてる。行くとそんな印象を持つコトになるのでは。安いがしっかりおいしい。大将の接客の気持ちよさも、人気の理由のひとつです。
